旧住所!?新住所!?マイホーム購入の際の登記の住所について徹底解説!

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更新日:2021-05-11
マイホームを購入する際、仲介業者や銀行(住宅ローンを組む場合)から、「登記の住所はどうしますか?」といった質問をされます。

今住んでいる物件の住所で登記をするか、新しく購入した物件の住所で登記をするか、という意味の質問なのですが、では、どちらを選んだらいいのでしょうか。

本稿では、マイホームを購入する際の登記の住所について、解説をしていきます。 

旧住所登記、新住所登記とは?

所有権を取得し、その登記を申請すると、登記簿に新しい所有者の住所と氏名が記録されます。

このとき記録されるのは、登記申請時の住民票に記載されている住所と氏名です。

したがって、現在の住民票を提出すれば今住んでいる物件の住所で、購入する物件の住所に異動した後の住民票を提出すれば購入物件の住所で、それぞれ登記がされます。 

本稿では、現在住んでいる物件の住所で登記する場合を「旧住所登記」、購入する物件の住所で登記する場合を「新住所登記」と呼んで解説をしていきます。 

いつまでに住民票を移動すればいい?

売買契約からの流れを簡単に記載すると、次のようになります。 

<旧住所登記の場合> 

①売買契約の締結 

②(住宅ローンを利用する場合)住宅ローン契約の締結 

③残金決済、登記申請 

④住民票を新住所に異動 

<新住所登記の場合> 

①売買契約の締結 

②住民票を新住所に異動 

③(住宅ローンを利用する場合)住宅ローン契約の締結 

④残金決済、登記申請 

旧住所登記の場合は残金決済後に、新住所登記の場合は残金決済までに、住民票を異動します。

ただし、住宅ローンを利用する場合には、ローン契約時の住所と登記申請時の住所とが一致していないと、登記が通りません。

そのため、新住所登記の場合は、ローン契約時までに住民票を異動しなければなりません。 

旧住所登記と新住所登記、どちらがいい?

結論としては、どちらがおすすめということはありません。

以下、それぞれのメリットとデメリットを解説していきますので、よりご自身に合うほうを選択していただければと思います。 

旧住所登記のメリット・デメリット 

メリット 残金決済までの手続きが比較的楽 

売買契約を交わしてから残金決済日(登記申請日)までには、やらなければいけない手続きや揃えなければいけない書類がたくさんあります。

特に平日に仕事をされている方ですと、役所で手続をするために仕事を休まなければならなくなることもあります。

この点、旧住所登記であれば、転出・転入手続のために事前に役所に行く必要はありません。 

残金決済までの手続きを減らすことができるので、新住所登記の場合に比べ、余裕をもって残金決済に臨むことができます。 

デメリット①  住所変更登記が必要になる 

住民票を異動しても、登記簿上の住所が自動的に変更されるわけではありません。

住所の変更を登記簿に反映させるためには、法務局に対し、住所変更登記を申請する必要があります。

住所変更登記はご自身で手続きをすることも可能ですが、申請書を作成したり、平日8時30分から17時15分までの間に法務局に足を運んだりと、時間や手間がかかります。

司法書士に依頼すれば、この時間と手間を大幅に減らすことができますが、税金および報酬として合計2~3万円程度の費用がかかります。 

※住所変更登記の義務化について  

なお、令和3年5月の時点では、住所変更登記の申請は義務ではありません。

そのため、新住所に住民票を異動した後も住所変更登記手続きをせず、売却や借換えなどで必要になった際に、所有権移転登記や抵当権設定登記と一緒に住所変更登の申請手続きをする、という方も少なくありません。 

しかし、令和3年4月28日、民法等の一部を改正する法律が公布されました。

住所変更登記に関する主な改正内容は、下記の2点です。 

① 所有権の登記名義人は、氏名・住所の変更があったときは、変更日から2年以内にその変更登記をしなければならない。
正当な理由がないのに申請を怠った場合には、5万円以下の過料が課される。 

② 一定の場合には、登記官が職権で住所等の変更登記を行うことができる。
ただし、所有権の登記名義人が自然人の場合には、その者からの申出が必要。 

改正法は、公布後5年以内の政令で定める日から施行するとされており、細かい手続きなどは、施行日までに政令等で定められることになります。

なお、改正点②に関しては、所有者が自然人である場合にはその者からの申出が必要とされているため、何もしなくても登記官が勝手に変更登記を行ってくれる、というわけではなさそうです。

住民票を異動したら、住所変更登記手続きも速やかに行うようにしましょう。 

デメリット②  住宅用家屋証明書の必要書類が多くなる 

マイホームの購入の場合、購入物件が一定の要件を満たすものであれば、登録免許税の軽減措置を受けることができます。 

軽減措置を受けるためには、まず、購入物件がある市区町村役場で住宅用家屋証明書という書類を発行してもらう必要があります。

住宅用家屋証明書の取得は、新築物件の場合は売主業者側が残金決済までに、中古物件の場合は司法書士が残金決済後に、それぞれ行うことが多いです。

登記申請の際に、取得した住宅用家屋証明書を一緒に提出すると、軽減措置が適用されます。

住宅用家屋証明書の申請をする際には、購入物件の登記簿謄本や取得者の住民票などの書類を添付します。

加えて、旧住所登記の場合には、一部の役所を除き、「現住家屋の処分を証する書面」も必要になります。

具体例としては、現在住んでいる物件が自己所有物件であれば売買契約書、賃貸物件であれば賃貸借契約書、社宅であれば社宅証明書などが挙げられます。

旧住所登記の場合にだけ「現住家屋の処分を証する書面」が要求されているのは、軽減措置を受ける目的で虚偽の申請がされることを防ぐためです。

軽減措置の適用は、物件を居住用として購入していることが大前提です。

新住所登記であれば、すでに住民票を異動していますので、購入物件に住んでいる(=居住用での取得)と判断されます。

これに対し、旧住所登記の場合は、現在住んでいる物件に住民票を置いたままなので、購入物件に住むのかどうか、住民票からは判断できません。

そこで、「現住家屋の処分を証する書面」を添付することで、現在住んでいる物件にはもう住まない(=購入物件に住む)ということを示し、居住用での取得と判断してもらうのです。

デメリット③  銀行への住民票の提出が必要になる 

旧住所登記で住宅ローンを利用した場合、銀行から、新住所の住民票を提出するように求められます。 

一般に、住宅ローンは投資用物件などに比べて金利が低く、また、要件を満たせば税金面での優遇を受けることもできます。

この優遇を受ける目的で、本来は投資用物件であるにも関わらずマイホームの購入と偽り、不正に住宅ローンを組む人が見受けられます。

こうした不正を防ぐため、銀行は、新住所の住民票を求め、購入物件についての借り入れであることを確認しています。

一定期間内に新住所の住民票を提出しないと、契約違反になることもありますので、注意が必要です。

新住所登記のメリット・デメリット 

メリット 残金決済後の手続きが比較的楽 

住宅用家屋証明書を申請する際に「現住家屋の処分を証する書面」を添付する必要がありませんので、用意する書類が少なくて済みます。

また、既に新住所で登記がされていますので、実際に引越しをした後も、住所変更登記の手続きをしたり、銀行に住民票を提出したりする必要がありません。

特に残金決済後の手続きを減らすことができるので、旧住所登記の場合に比べ、手間や費用を抑えることができます。

デメリット①  嘘をつくことになる

購入した物件に実際に入居できるのは残金決済日(登記申請日)以降ですので、本来は、この日より前に新住所に住民票を異動することはできませんし、「旧住所登記か新住所登記か?」という選択をする状況にもならないはずです。 

しかし、実際には、残金決済日より前に新住所に住民票を異動するということが広く行われています。

手続きの際、役所から転入日の証明を求められることは基本的にありません。

そのため、「この日に引っ越しました」と嘘の申告をすれば、実際には引越しをしていないにも関わらず、新住所の住民票を取得できてしまいます。 

ただし、このように役所に嘘の申告をすることは法律違反です。

現に行っている人が少なくないとはいえ、違法なことですので、新住所登記を選ぶかどうかは、ご自身の責任で慎重に判断なさってください。

また、通常、残代金が支払われるまでは、売主様が物件の所有者です。

そうすると、住民票を異動してから残金決済までの間は、売主様所有の物件に買主様が住んでいることになります。あくまで書面上での状態ですが、そのことを快く思わない売主様もいらっしゃいます。

デメリット②  役所からの書類が届かない可能性がある

現在住んでいる物件に届く郵便物は、郵便局に転送届を出さない限り新住所に配達されることはありません

ただし、役所からの書類は、住民票上の住所に郵送されてきます。

入居前に住民票を異動すると、国民健康保険証など、住所変更に伴い新たに発行される書類受け取れなくなる可能性があります。 

デメリット③  時間がタイト

残金決済時まで(住宅ローンを利用する場合はローン契約時まで)に住民票を異動しなければなりませんので、あまり時間の余裕がありません。 

また、住宅ローンを利用する場合は、新住所の住民票と印鑑証明書が必要になります。

役所が定める本人確認書類を用意できない場合などには、その場で印鑑証明書を発行してもらえず、手元に届くまでに時間がかかることもあります。

役所での手続きの時期が遅くなると、書類の準備が間に合わず、結局新住所では登記ができないという事態にもなりかねません。 

こんな方は要注意

冒頭にも記載した通り、旧住所登記と新住所登記、どちらが正解ということはありませんので、やりやすいほうをお選びください。 

最後に、登記の住所を決めるにあたり、特に注意したほうがいいケースを2点挙げます。

該当する方は、より慎重に判断されることをおすすめします。

耐震工事が必要な物件について、住宅ローン控除を受けたい 

住宅ローン控除とは、住宅ローンを利用して住宅の新築・取得又は増改築等をした場合に、年末のローン残高の1%を所得税(一部、翌年の住民税)から、契約時期と入居時期に応じて最大13年間控除する制度です。 

中古住宅の場合の適用要件の一つとして、㋐その家屋の建築された日から取得の日までの期間が20年(マンション等耐火建築物については25年)以内であること、または㋑一定の耐震性能を有することが証明されたこと、が挙げられます。 

㋑については、さらに、居住する日までに改修して、耐震基準に適合するようになったことが条件とされています。

ここでいう「居住する日」は、実際に入居した日ではなく、住民票上の移転日を指します。

そのため、㋐の築年数を超える物件を購入し、耐震工事が終わる前に住民票を異動してしまうと、住宅ローン控除の適用を受けることができなくなってしまいます。 

「現住家屋の処分を証する書面」が用意できない 

例えば、現在持ち家に住んでおり、引越し後にその物件を売却するか賃貸に出すかをまだ決めていないような場合には、「現住家屋の処分を証する書面」に該当するものがありません。

また、社宅の場合、会社によっては、社宅証明書の発行に2~3週間かかり、残金決済までに間に合わないこともあります。

「現住家屋の処分を証する書面」の用意ができないと、適用要件を満たしているにも関わらず、軽減措置を受けることができなくなってしまいます。  

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